ヒトメタニューモウイルス感染症
ヒトメタニューモウイルスは気管支炎や肺炎などの呼吸器感染症をひきおこすウイルスの一種です。
1~3歳の幼児の間で流行することが多いですが、大人にも感染します。
特に乳幼児や高齢者では重症化することもあり、注意が必要です。
罹患される患者さんは1年中どの時期でもみえますが、特に春先から梅雨の時期に増加する傾向にあります。
症状はRSウイルス感染症と同様、いわゆる風邪症状に似ています。
①咳(多くの場合、1週間程度続きます)
②熱(多くの場合、4~5日程度続きます)
③鼻水
悪化すると、以下のような症状が出ることもあります。
④ゼイゼイ(ヒューヒュー)という呼吸
⑤呼吸困難 など
ヒトメタニューモウイルスに感染しても、1週間程度で症状は治まります。
何度か繰り返して感染し、年齢が上がるにつれて徐々に免疫がつき、症状が軽くなる傾向にあります。
特効薬はなく、対症療法となります。水分をしっかりととり、温かくして、ゆっくり休みましょう。
なお、病院など受診した後、熱が長引くときは早めに再度の受診をしてください。
また、このウイルスは、保育所などの施設内での流行や家族内感染も高い確率でおきる可能性があります。
飛沫や接触により感染しますので、お子さんの調子が良くないときは、使用したハンカチやティッシュなど、
気道分泌物の付着した物の扱いに注意し、手洗いやうがいを心掛けてください。
小児科部長 森川 治子