胸部の打撲、肋骨骨折
転倒、物にぶつかる、交通事故などで胸を痛めて来院される方が多数みえます。
少数ですがゴルフなど体をひねるスポーツや、
咳やくしゃみを繰り返して胸を痛める方もいらっしゃいます。
胸は背骨(脊椎)から前胸部の胸骨に伸びる12本の肋骨で構成された胸郭により、
肺や心臓などの内臓が保護されています。
前方の肋骨は軟骨(肋軟骨)でできていてレントゲンに写りません。
胸部打撲、肋骨骨折の痛みは軽いものから激痛まで様々です。
咳・くしゃみ・深呼吸をしたときの痛み、
体を捻ったときの痛み、
寝起きや寝返りの際に痛みが起きます。
受傷直後は痛みが軽くても、数日してから痛みが強くなることもあります。
診察では、X線やCT検査で骨折の有無を確認します。
ズレ(転位)のないような骨折はX線ではわかりにくい場合もあります。
また、内臓の損傷(気胸、血胸など)の有無も確認します。
打撲・肋骨骨折ともに、治療の基本は保存的治療です。
安静、痛み止めの内服、湿布などで痛みが軽快するのを待ちます。
骨折があれば、バストバンドで胸郭を固定します。
まれですが、
骨折部位が多数に及ぶ場合や気胸や血胸など内臓の損傷を伴う場合は
入院治療が必要となることがあります。
打撲でも、痛みが数週間続くことがあります。
骨折があると痛みが消えるのに、1~2ヶ月はかかります。
受傷後痛みや不安がある場合は医療機関を受診し、
診察後は無理をせず、安静を心がけてください。
病院長 伊藤 浩一