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KOSEI COLUMNコウセイコラム

心不全パンデミック

 

コロナウイルスが全世界に流行し始めた2020年、「パンデミック」という言葉が盛んに報道されたことを記憶されている方も多いと思います。

 

 

「パンデミック」は、感染症や伝染病が世界的に大流行することをさす言葉ですが、

 

 

「心不全パンデミック」とはどういうことでしょうか。

 

 

心不全は、「心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、生命を縮める病気」と定義されており、感染症ではありません。

 

 

心不全は年々増加しており、新たな心不全発症は、2030年には35万人に達するといわれています。(1990年は10万人なので3倍以上です。)

 

 

これは日本に限らず全世界で起きるといわれ、心不全の爆発的な増加を感染症の大流行になぞらえて、「心不全パンデミック」と呼んでいます。

 

 

心筋梗塞、不整脈、弁膜症、高血圧などを原因として心不全は起こりますが、一度起こすと何度も繰り返すことが多く、心不全を起こす前の状態にはなかなか戻れないものです。  

 

 

心不全パンデミックを起こさないためには、心不全にならないよう、その前の段階で食い止めることが大事です。 いずれの疾患も高齢化とともに増えていく病気ばかりですので、早期に発見して早期に介入することが重要です。

 

 

長く続くコロナ禍で、少し足が遠のきがちな住民健診・人間ドックを、第一歩として考えてみてはどうでしょうか。

 

 

医療安全・感染制御部長兼循環器内科部長 浅田 馨