熱性けいれん
熱性けいれんは、
38℃以上の発熱に伴っておこるけいれんで、髄膜炎や脳炎などの中枢神経疾患や全身疾患を除いたものをいいます。
日本では、6歳までの子どもの5%におこるといわれており、最もありふれた発作性疾患です。
好発年齢は生後6ヶ月から6歳とされています。
6ヶ月未満の子が発熱に伴ってけいれんを起こす場合は、専門医の紹介が勧められます。
しかし、その多くは単純性熱性けいれんです。
単純性熱性けいれんとは、けいれんの持続時間が5分程度までで、けいれんに左右差がなく、1回の発熱発作で、繰り返さないものです。
これまで多くの研究で、単純性熱性けいれんは、後遺症を残さないということで一致しています。
したがって、繰り返しても心配はいらないと考えてよいでしょう。
一方、熱性けいれん重積とよばれる30分以上続くけいれんがあります。
以前から、一部の難治性てんかんでは、過去にけいれん重積をおこした人が多く、直後のMRIや脳波に異常を認めることが多く、これが将来のてんかんにつながることがあります。
しかし、てんかんになるのは、重積をおこした子どものごく一部にすぎません。
ほとんどの熱性けいれんは後遺症を残しませんので、過剰な心配は必要ありません。
検査診断科部長 江崎 まり