新型コロナとインフルエンザ
新型コロナ感染症も、ここに来てやや落ち着きが見えてきました。
これは手洗い、マスクの着用、三密を避ける行動が根付いていること、治療薬の開発に加え、ワクチン接種の広がりも大きな要因ではないかと考えられています。
昨年の冬が始まる前には新型コロナとインフルエンザの同時流行がとても危惧されましたが、インフルエンザは殆ど流行しないまま、冬が終わりました。
これは、新型コロナへの感染対策がインフルエンザの予防にも効果的であったとも考えられています。
南半球のオーストラリアでは、今年の流行時期にもインフルエンザ患者数は昨年同様きわめて少数だそうです。
このことより、今年の冬も日本のある北半球での流行は見られないとも考えられますが、アジアの亜熱帯地域においては流行が見られている地域もあるそうです。
昨年、インフルエンザに罹患した人は極めて少数であったため、社会全体の集団免疫が形成されず、その状況下では、海外からインフルエンザウイルスが持ち込まれれば大きな流行を起こす可能性もあります。
新型コロナは未だ、第六波の出現も懸念されます。
そのような中では、インフルエンザへの備えは必要と考えられ、今年もインフルエンザワクチンの積極的な接種は推奨されています。(2021.11.2執筆)
副院長兼臨床研修部長 後藤 章友