骨粗鬆症について
「骨粗鬆症」という言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。
一言で言うと骨の量が減って「す」の入った状態で、主に骨の中のカルシウムが減って骨がスカスカになってしまった状態のことです。
人間の骨は古い骨を壊して新しい骨に作り変えて骨の質を維持していますが、カルシウムの不足や骨を作るためのホルモンの不足などにより、骨を壊す量のほうが作る量より多くなってしまうために起こります。
一般的に高齢者、特に閉経後の女性に多く見られます。これは閉経により女性ホルモン(骨を作る作用がある)が減少するためです。
骨粗鬆症の患者さんで問題となるのは、骨がもろくなることにより骨折を起こしやすくなることが第一に挙げられます。ポキッと折れたりするだけでなく背骨がだんだん自然につぶれてきて腰が曲がってきたりすることもあります。
日常生活の中での予防としては、
1) カルシウムを取ること
日本人の食生活はカルシウムが不足しがちです。乳製品、大豆食品、小魚、緑黄色野菜、海草などを摂るように心がけてください。
2) 適度な運動
骨は重力がかかった状態で刺激されるほうが強くなるので散歩、ゲートボールなど無理のない運動を続けるように心がけてください。
3) 日光に当たること
カルシウムを体内で吸収するために必要なビタミンDは日光を浴びることにより作られます。適度に日光に当たるようにしてください。日焼けするほどあたる必要はありません。夏なら木陰で30分、冬なら手や顔に1時間程度を目安としてください。
骨粗鬆症の検査としては骨密度測定が一般的です。ある程度以上骨密度が減少している場合、上記のような食生活、生活習慣の改善に加えて薬物療法が必要となることもあります。
第二整形外科部長 山岸 逸郎