HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)について
昨今の新型コロナの状況から、ワクチンの必要性を皆さん改めて感じていらっしゃると思います。
ワクチンの歴史はエドワード・ジェンナー(天然痘)から始まりました。
身近なところではインフルエンザや肺炎球菌、BCGワクチンなどがあります。
これらワクチンのありがたさは、普段はなかなかわかりにくく、時には副作用の心配をされる方もいます。
HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)も副作用に関して、
日本では過度に心配されました。
しかし、今や副作用はほぼ否定されています。
このワクチンの接種率が著しく低いのは、日本だけです。
先進国のみならず発展途上国、そして後進国ほど接種率が高くなっています。
そして、接種している国々では子宮頸がんは激減しています。
現在、世界中で日本のみ子宮頸がんが増加しています。
これからいよいよ妊娠しようという若い世代で、子宮頸がんが発覚し、流産しやすくなったり、妊娠をあきらめたり、時には命を救えなくなることが増加傾向にあります。
さらに、このワクチンは韓国、中国、アメリカでは女性だけでなく男性までも接種しています。
なぜなら、このヒトパピローマウイルス(簡単に言えばいぼのウイルス)のワクチンのは子宮頸がんだけではなく、肛門癌、陰茎癌、中咽頭がんの一部の予防にも効果が期待できるからです。
残念ながら、日本ではまだ男子には適応がありません。
女性は、市町村が実施する定期接種の対象ですので産婦人科などにご相談ください。
産婦人科部長 渡辺 修