情報の共有が命を救う
現在新型コロナウイルス感染症のニュースが連日大きく取り上げられています。
ニュースを通じて新たな情報が入ってきますが、
医療従事者としては、どこからどのような情報を得るかは重要なことです。
そこで今回は、普段の診療でどのように情報を得ているかをお話ししたいと思います。
基本的な医学知識は医学部6年で学び、それが基礎になっていますが、
それだけでは診療はできません。
新しい検査法、治療法が出たり、稀な病気や悩ましい病態にも出くわします。
その分野の専門書を読んでも、日進月歩の医学では、
買って間もない専門書ですら古い知識になっていることもあります。
各種学会に参加して新しい知識を仕入れたり、
月ごとに発刊されている学会誌や医学雑誌などから情報を得ます。
早い知識を得るには、医学雑誌の電子版(紙より発行が早い)からになります。
新型コロナウイルス感染症については、
医学雑誌の電子版を読むことによってどんな経過をたどるのかを理解するのに役に立ちます。
現在はインターネットの普及により得られる情報が格段に増えました。
悩ましい病態に遭遇したときに、
似たような患者さんの症状レポートがネット上にあるのは大変助かります。
他の医師が経験したことを取り込んで診療を組み立てていく、
情報の共有が日々の診療、ひいては医学の発展につながっているのです。
消化器内科部長 濱野 真吾