糖尿病の合併症
現在、日本では、糖尿病を強く疑われる方が1000万人、糖尿病予備軍も1000万人と言われております。
糖尿病は、膵臓から出るホルモンであるインシュリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖を上手く利用できず、血糖が高くなる疾患です。
血糖値が高い状態が何年も続くと、血管が傷つき、さまざまな合併症が起きます。
しかし、かなりの高血糖でなければ自覚症状がないことが多いこともあり、糖尿病の治療を放置してしまう方は少なくありませんが、合併症は体の中で確実に進行しております。
眼への影響としては、屈折異常、角膜障害(15-17%) 白内障、糖尿病網膜症(15-23%)などがあります。
屈折異常では、高血糖が続くと近視や遠視が進行したり、老眼が早く出ることがあります。これは、血糖値が水晶体の屈折に影響しているためです。
角膜障害では、涙の分泌が減少し眼球の表面にある角膜の炎症や、ドライアイ症状が出ることがあります。
最も視機能に影響するものは、糖尿病網膜症です。眼の一番奥には、フィルムの役割をする網膜があり、その網膜には毛細血管が密集しております。高血糖が長期続くとこの血管が詰まるために血流障害を引き起こします。
網膜症は、早期から食事療法や内科的な治療と定期的な眼科検診、適切な治療を続けていれば防ぐことが可能です。
しかし、現実には毎年多くの人が、糖尿病の合併症で視力を失っております。
まずは定期的に健康診断を受け、糖尿病指摘されたら血糖コントロールに気を付けて、年に1回は眼科通院もお忘れなく。
眼科 医師