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KOSEI COLUMNコウセイコラム

生活習慣病と脳卒中

 脳卒中は、寝たきりや認知症の原因の第一位で、さまざまな後遺障害を残し、社会復帰も困難となる疾患であり予防がとても大切です。
 高血圧症は、脳出血や脳梗塞など脳卒中の最大の危険因子です。血圧が高いほど脳卒中の発症率は高くなるといわれます。高血圧症の治療が、脳卒中の予防にはとても有効です。高血圧症には降圧療法を行うように強く勧められます。降圧目標としては140/90mmHg未満が強く勧められますが、後期高齢者では、150/90mmHg未満を目標にすることを考えてもよいといわれます。
 また、糖尿病も脳卒中の危険因子であり、脳梗塞の発症を2倍、脳出血の発症を1.5倍高めるといわれます。そして、高脂血症(脂質異常症)は脳梗塞の危険因子です。
 高血圧症、糖尿病、高脂血症(脂質異常症)は生活習慣病と呼ばれ、脳卒中のみでなく、心臓血管疾患の危険因子でもあります。脳卒中を予防するためには、脳卒中の危険因子に対処することが必要です。体重の減量や適度な運動、食事による生活習慣の改善を行いつつ、高血圧症、糖尿病、高脂血症(脂質異常症)には、それぞれ適切な薬物治療を行うことが勧められます。

脳神経外科 医師