心臓の不思議4
心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。握りこぶし程度の大きさで、1分間に60〜100回くらい拍動し、1分間におよそ6リットルもの血液を送り出しています。
心臓機能の指標の一つに「心拍出量」とよばれるものがあります。
心臓から1分間に送り出される血液の量のことです。その量が多ければ全身に十分な血液を循環させることができますが、いくつかの因子によって心拍出量は影響を受けます。
一つ目は、心臓の筋肉が収縮する力です。力強く収縮すれば心拍出量は増えます。
二つ目に、心臓に戻ってくる血液が十分にあって、心臓の容積が増えている状態であれば、送り出す血液も多くなります。しかし、脱水など血液が少ない状態では心拍出量は少なくなります。
三つ目は、心臓が収縮する時に打ち勝たなければいけない抵抗です。例えば、血圧が高い時には、その圧力より強く心臓が収縮しないといけないので心拍出量は減ってしまいます。
私たち医師が心臓のポンプ機能が悪くなった患者さんを診ている時には、こんなことを考えながら、心臓を強く収縮させるような薬を使ったり、点滴や尿を多くする薬を使って身体の中の水分を調整したり、血圧を下げる薬を使ったり、また、落ち着いている時には逆に心臓を少し休ませてあげるような薬を使ったりしているわけです。
内科 医師