物忘れと認知症
精神科では、様々なこころの病気に対しての治療を行っていますが、昨今の高齢化社会において、認知症の患者さんが増加しています。
認知症には、皆さんも良く耳にするアルツハイマー型認知症の他に、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉型認知症の4つのタイプがあります。
昨今注目されているレビー小体型認知症のように、初めのうちは物忘れは目立たず、ありありとした幻視がみられたり、パーキンソン病のように歩きづらくなるタイプの認知症もあります。
ある程度の物忘れは加齢によってもみられるため、精神科を受診するタイミングは難しいかもしれません。
今の医療では一度下がってしまった認知機能を元に戻すことは難しいのですが、お薬を使うことで、認知機能の低下のスピードを緩やかにしていくことはできると言われています。
当院では、心理検査とともに、MRIやVSRAD(画像を数値化し判断する検査、二度の来院が必要)などにより総合的に判断を行っています。
また、精神科では妄想や徘徊により、自宅や施設では対応困難な患者さんの薬剤調節の入院加療も担っています。お薬の効果は限定的にはなりますが、せん妄など他の病気が重なっている可能性もあります。
個人個人により病態が異なるため、お困りの方は一度ご相談にいらしてください。
精神科部長代理 河邊眞好