消化器内科をやっていて食べたくない物
消化器内科をやっていていろいろな病気を診ます。
その中で苦しむ患者さん達を診て、これは食べない方が良いなと思う物が3つあります。
1つはユッケ。
これは焼肉屋で集団食中毒が発生して、死者も出て大きなニュースにもなったのでご存じの方がほとんどだと思います。
2つ目が生牡蠣。
ウイルスを含む糞便が下水道などを通じて河川や海に流出して、牡蠣を含む2枚貝がウイルスを取り込んでしまい、それを生で食べるとノロウイルス胃腸炎を発症することがあります。
スーパーで生食用と記載があって売られていても安全な生牡蠣とは限りません。
胃腸炎はかなりつらく、特効薬もないため、しばらくは苦しむことになります。
またA型肝炎ウイルスの感染原因にもなることがあります。A型肝炎はほぼ一過性に終わります。
しかし稀に劇症肝炎となり、生死に関わることがあります。
3つ目はしめ鯖。
鯖にはアニサキスという寄生虫がいます。
これも昨年報道されていましたが、お酢でしめれば大丈夫ということは全くありません。
マイナス20度で24時間以上冷凍するか、70度以上で加熱が必要です。
アニサキスによる食中毒は激しい痛みを伴います。
アニサキスが胃の粘膜に潜入している場合は内視鏡で摘出となります。
食べるときは天国気分でも当たれば地獄です。
これらの生食はキケンなので、加熱してお召し上がり下さい。
消化器内科部長 濵野 真吾